第41章 -バスケ-
ひかり
「灰崎くん、バスケしに来るかなぁ?」
虹村
「さぁな…。
なんだよ、来てほしいのかよ?」
歩きながら話していた。
さっきは手を繋いでいたのに、
灰崎が来てキッカケを失い、
今は手を繋いでいない。
ひかり
「ヤキモチ〜?」
ひかりはオレの顔を覗き込みながら、
手を繋いできた。
虹村
「ちげぇよ。」
オレはそのまままた繋いだ手の
指をからめた。
ひかり
「…っ。」
繋いだ手からひかりが
ドキッとしたのが伝わってきた。
ひかりのがわかるんだから、
オレのも全部バレてんだろうな。
虹村
「つか…なんで、
あんなことしたんだよ?」
ひかり
「え?あんなこと?」
虹村
「灰崎…蹴り上げてただろ?」
あれはちょっと灰崎に同情する…。
ひかり
「あぁ!でも、護身術だよ?」
虹村
「護身術…⁈」
ひかり
「うちの学校、女子校でしょ?
学校で習ったの♪」
虹村
「へぇ…」
ひかり
「こんなのとか…。んっ。」
虹村
「うわっ…。おいっ!いてっ。」
ひかりは急に繋いでた手を
くるりとまわして後ろから押さえ、
オレを動けなくした。
ひかり
「ねっ?すごいでしょ?」
虹村
「わかったから!いてぇっつぅの。」
ひかり
「あ、ごめん、ごめん。」
ひかりはやっと手をはなした。
虹村
「はぁ…。」
ひかり
「…⁉︎ごめんね。そんなに痛かった⁈
あ、強すぎて呆れた?」
虹村
「呆れたとかじゃねぇよ。」
オレはひかりの手を握った。
虹村
「身を守ることは大事だけど、
ひかりはそんなことすんな。」
ひかり
「…?」
オレが何を言いたいのか
わからないようで、
ひかりはキョトンとしていた。
虹村
「…オレが守ってやっから!」
ひかり
「…⁈修造…?」
虹村
「だから、ひかりは
そんな護身術使わなくていい。
わかったな。ほら、行くぞ!」
オレは自分で言ってて
ちょっと恥ずかしくなり、
グイグイとひかりの手を引いた。
ひかり
「修造…!」
虹村
「…なんだよ?」
照れがあって、
オレはぶっきらぼうにこたえた。
ひかり
「修造、だーーいすき。」
…⁈
オレは今までで1番…
真っ赤になってると思う…。
やべぇ…もう後ろ向けねぇ。