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〜虹村 修造のお話〜

第38章 -----Another side-----


-----露木ひかり-----



別れよう…って言われて、
イヤって言ったのに…
修造は行っちゃった。



あんまりデートできないこと…
淋しいと思ったことはある。


でも、そっけないようで、
家族をとても大事に思う修造が
大好きだった。


だから…
そんなのどうでもよかったのに…


樹さんに送ってもらったり、
わたしが修造を悩ませちゃったんだ…


それだけじゃないのかもしれないけど…


考えれば考えるほど、涙が溢れてくる。


ずっとベッドで泣いた。



日曜日も部屋から1歩も出なかった。
食欲もない。



トントン…


ひかり母
「ひかり?入るわよ?具合悪いの?」


日曜日の夜、さすがに心配したのか、
お母さんが部屋に来た。


ひかり
「ううん…。食欲ないだけ。」


泣きはらした顔を見られたくないので、
布団で顔を隠して返事をした。


ひかり母
「それだけじゃないでしょう?」


さすがにバレていたらしく、
お母さんはベッドに座って、
わたしの布団をめくった。


ひかり母
「そんなに泣いて…。
虹村くんとケンカでもした?」


ケンカならよかったのに…


ひかり
「う…うわぁ…お母…さぁ…ん…」


わたしは思わずお母さんに抱きつき、
泣いてしまった。


ひかり
「あの…ね、あ…しゅ…修造に…
フラ…フラれ…ちゃっ…た…」


ひかり母
「…っ‼︎⁈

そう…。
じゃあね、泣きたいだけ泣きなさい。
まずは悲しい気持ちを
洗い流しちゃいなさい。」


お母さんはそれだけ言うと、
わたしが泣き止むまで
ずっと背中を撫でていてくれた。


ひかり
「…ありがとう。」


お母さんから離れて、
ティッシュで顔を拭いた。


ひかり母
「…ひどい顔ね(笑)」


泣きはらしたわたしの目を見て
お母さんが吹き出した。


ひかり
「これでも、お母さん似って
言われてるんですけどー」


ひかり母
「ふふ。そうね…。
明日は学校休んだら?
そんな目じゃ
明日も腫れ引かないでしょ?」


ひかり
「…うん。」


ひかり母
「でもね、そろそろ何か食べなさい。
おかゆ作ろうか?」


ひかり
「…うん。」


いつも風邪ひくと作ってくれる
お母さんの卵のおかゆ…。
お母さんのおかゆを食べると
小さい頃から元気が出たけど、
失恋にも…効くのかな。
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