第33章 -帰り道⑤-(現在)
「ひかりが来たらあいつら喜ぶし。
来年はきっと親父も来るから、
ひかり、弁当作る量増えるからな。
今から覚悟しとけよな。」
「修造…。うん‼︎
来年も…たくさん作るね!」
ひかりはやっと本当の笑顔になり、
オレに飛びついてきた。
「だから〜‼︎
それはくっつきすぎだっつーの。
こないだも言ったろ?」
「えー?いーじゃん。
くっつきたいんだもん。
修造も本当は嬉しいくせに〜。」
今日のひかりはテンション高いからか、
諦めずに腕を組んだままだった。
嬉しいが…
胸が当たるのも気になる…。
Tシャツだから、
いつもより余計に温もりも感じる。
やべぇ…変に意識しちまう…。
こっちはこんだけ意識してるのに、
ひかりは普通だから、なんだか悔しい。
たぶん無意識というか、
そんなこと気にもしてないんだろう。
相手がオレだからいいが、
オレ以外には少しは意識して
気をつけてほしい…。
つか、今だって十分
恥ずかしいんだっつーの。
でも、やっぱりひかりは無意識なのか、
まったく違う話を始めた。
もちろん腕はまだ放されていない…。
「そういえば、今日のリレー、
修造が1年生の時の運動会、
思い出しちゃった♪」
…⁈
ひかりもか。
あん時の運動会も…色々あったなぁ。