第4章 -帰り道①-(現在)
「虹村くんと帰るの久しぶりだね。
懐かしいなー。」
平澤さんと別れ、2人きりになると、
ひかりさんが先に口を開いた。
「そんなに懐かしいですか?」
「うん♪」
「そんなもんですかねぇ…」
そっけなく言ったが、
本当はオレも同じように感じていた。
すんげぇ懐かしい。
キツい練習のあとのオレの好きな時間。
特に覚えてるのは、
オレが1軍に昇格して、
数ヶ月した頃、
こうやって一緒に帰った日…。
明るくて、
マネージャーの仕事も
そつなくこなすひかりさんが、
1度だけ、オレに涙を見せた。