第28章 -1on1-
オレが主将を辞めたことによる
混乱はそれほどなく、
部は赤司中心にまとまっていた。
最近特に緑間や紫原の調子がいい。
だが…
オレは青峰のほうが気になっていた。
それはひかりも同じだったようで、
練習に参加していた土曜日、
休憩中にオレに話しかけてきた。
「しゅ…。虹村くん。」
ひかりはオレを”虹村くん”と呼ぶ。
オレも”ひかりさん”と呼んで、
一応敬語に戻す。
敬語は時々抜けるが…。
部活中に公私混同は嫌だった。
それはひかりも同じだったようだ。
それに”虹村くん”と呼ばれるのも
ちょっと懐かしい。
「なんですか?」
「ねぇ。最近の青峰くん…
調子…良すぎない?」
「…あぁ。オレも思ってた。
悪いことじゃねぇんだけど…」
「敬語抜けてるよー?」
ひかりがクスクス笑う。
「青峰くん…嬉しそうじゃないね。」
ひかりはドリンク飲んで休憩している
青峰を眺めながら言った。
「ちょっと…気をつけて見とくわ。」
やべ…また敬語抜けちった。
オレはひかりにツッコまれる前に、
コートに戻った。