第25章 -朝ごはん-
ひかりの母親の仕事が終わり、
オレ達を家まで車で送ってくれた。
家の明かりは消えていた。
お袋からも何も連絡はないし、
まだ病院にいるようだった。
「ありがとうございます。
遅くに本当にすみません。
助かりました。」
「車出すくらい気にしないでいいのよ。
お母さん、まだ帰られてないみたいね。
明日の朝ごはんとか大丈夫?」
「朝飯…?」
なんかあったか…?
台所なんか入んねーからな。
朝飯のことなんか考えてなかった。
「明日、ひかりが
何か作って持ってってあげたら?
虹村くん、キッチンに何があるかも
わからないでしょ?」
……。
ひかりといい、ひかりの母親といい、
なんでわかるんだよ…。
「お母さんもわからないでしょ?」
ひかりがからかうように言う。
「そ、そうだけどー。
とにかくっ‼︎
朝ごはんなかったら困るでしょ?」
「そうだね。8時くらいでいいかな?
明日、朝ごはん持ってくよ。」
「いや…でも…いいのか?」
「うん。毎日作ってるし。
それこそ気にしないで大丈夫だから。」
「何から何まで悪いな…。」
「ぜんぜん悪くないよ。じゃ、明日ね。
少しは寝るんだよ?」
双子たちはぐっすり眠っていた。
疲れたんだろう。
オレは今夜は双子たちの部屋で寝た。