第3章 -ライバル-
平澤さん⁈
突然、平澤さんがオレらのほうに来て、
ひかりさんに声を掛けたと思った瞬間、
平澤さんはひかりさんの手を掴み、
あと一口分くらい残ってた
ひかりさんのシュークリームを
ぱくんと食べてしまった。
「あーーっ!! もうっ‼︎
信じらんない。平澤くんのバカっ‼︎」
「ひかりが食わねーのが悪いだろー?」
平澤さんはそう言うと、
猛ダッシュで逃げて行ったが、
ひかりさんは怒って、
平澤さんを追いかけた。
オレには…
2人がじゃれついてるようにしか
見えなかった。
昔からだ。
気になりすぎて、
付き合っているのかと、
2人に聞いたことがあった。
ひかりさんは、
「まさか〜(笑)」と笑っていたが、
平澤さんは満更でもない感じで、
否定も肯定もしなかった。
オレは今日も、
平澤さんの楽しそうな顔を
遠くから眺めるしかできなかった。