第7章 熱い感情【田中 龍之介】
「やめてくださいっ!」
少し離れた茂道から、叫び声が聞こえた
周りの奴は、祭りで聞こえてなかったみたいだが、俺は確かに聞いた
そこへ、駆けつける
案の定、絡まれている葵がいた
「俺の彼女に………
何してんだ?ゴラァ」
ひいっと言って男はあっけなく去っていった
葵
「龍っ!!!!」ギュッ
抱きついてきた葵は小刻みに震えていた
俺は、優しく背中に手を回し撫でてあげた
田中
「すまん、俺のせいで……
怖かっただろ?」
葵
「うん………
怖かったよ」
田中
「とりあえず、俺の家近いし行くか」
手を引いて家まで行った