第43章 俺の大好きな妹が遂に結婚してしまった話【黒尾 鉄朗】
俺が高校に入ると来年高校受験の葵に勉強を教えてやったりした
「お?勉強か??」
「お兄ちゃんはあっちいってて!
わかんない問題が余計わかんなくなる!」
「ならこのお兄様が教えてやろうか?
見せてみろよ」
「お兄ちゃん、わかるの?」
「おいおい
現役だぞ?俺だって受験という難関を突破したんだからな?」
「じゃあ、この問題――」
「ん?ああ、これはだな――」
「お兄ちゃん、先生より分かりやすい!」
「ははっ、だろー?」
なんて言われて俺すげぇ嬉しかったし
他にもあるんだぜ?
まあ思い出してたらキリがねえけどな
受験合格して、俺達はまた同じ学校へ通学する
「ちょっとお兄ちゃん!待ってってば!!」
いつもいつも俺はさっさと家を出て行く
そうすればこいつが俺の後を追いかけてちょこちょこついてくるんだ
それがまた楽しくて毎日してた
ケンカだってしょっちゅうしたぜ?
まあ、といっても葵が怒って拗ねて口聞かないってのがほとんどだけどな(笑)
たとえば?
そうだな……、いつだったか俺があいつのデザートを食べちまった時だよ
「お兄ちゃん!!冷蔵庫にあったデザート食べちゃったでしょ!!」
「ん?あー、食べたな」
「なんで食べちゃったの!?
あれ私のだったんだけど!!」
「わりーわりー
知らなかった」
「むっ!
軽いよ!こんのバカ兄!!お兄ちゃんともう一切口聞かないんだから!!」
そんで、冷蔵庫のあいつの所有物に名前をちゃーんと書いてるわけ
笑ったな、そん時は
まあでも後味悪いから同じやつ買ってやってあいつに渡したらなんて言ったと思う?
「もういいんだけど
同じやつ買って食べちゃったし
でも………ありがと」
目逸らしながらでもそう言って受け取っくれた
俺はまた笑みを溢して葵の頭をポンポンと撫でた