第40章 *白……*
また私は、光太郎のツンツンヘアーを優しく撫でる
「葵っ、俺が……
俺が葵の分も頑張ってっ……
頑張って、絶対全国いく!
そんで、葵の夢……叶える……!!」
「ダーメ
頑張り過ぎちゃったら私みたいにバレーできなくなっちゃうでしょ?
光太郎は自分の為に夢を叶えて?ね?」
「いやだ!」
「もう………
ありが……とう……ヒック」
葵……と、チームメイトが肩を擦る
ああ、私泣いちゃった
光太郎の額に涙が、落ちる
そういえば、今日はクリスマスなんだっけ……
私には、サンタさんのプレゼントはもう届かないけど――
光太郎は、最高のプレゼントだね
・
・
・
・
「木兎さん、今日も来てますよ
あの人」
赤葦が試合開始前に俺に話しかける
「まじかっ!
あ!!
葵ーっ!!」
俺はギャラリーにいる彼女へ手をふる
彼女も恥ずかしそうに手を小さく振って返してくれた
「よし!充電完了!!
赤葦っ!今日も俺を飛ばせてくれよ」
「わかりましたよ……エース」
見ていてくれ葵
俺が、全国に行ってテッペンとるところを
お前の夢を叶える時を―――
それができた時、俺はお前に言おうと思うんだ
葵が好きだ
って
―end―