第37章 「お疲れ様」をいただきます【及川 徹&岩泉 一】
ボンヤリとした視界が見覚えない天井を映しだす
すぐに視界はハッキリとし要約ここが保健室だと分かった
そして、自分の手に温もりが感じられる
枕の上の顔を、手の方角へ捻る
葵
「!?!?!?」
私は、傍で眠っている方の手を握っていた
葵
「岩………ちゃん?」
岩泉
「ぬぁ………?
あ、葵起きたか………」
咄嗟に私はその手を解いた
葵
「ごめんっ
ずっと看ていてくれたの?」
岩泉
「まぁな……
お前、ずっと起きなかったんだぞ」
窓の方を見れば、もう日が傾いていた
未だ、横になりながら岩ちゃんに謝罪の言葉を述べようとしたら急に岩ちゃんの顔が険しくなった
岩泉
「お前、無茶すんなべや」
葵
「でも………「でもじゃねえ」
岩泉
「そんなフラフラになってまで勉強してんなら、身につくもんも身につかねえ」
葵
「うん………そうだね
おかげで頭もスッキリした
ありがとう」ニコッ
岩泉
「おう。」
テスト答案返却日
葵
「い、やったぁぁぁあああ!!!」
教室で私は盛大に叫んでいた
部室へ行く道中、岩ちゃんにバッタリ出くわす
岩泉
「お前、叫びすぎだろ……
俺の教室まで聞えた」
葵
「だって嬉しいもーん♬」
岩泉
「まあ、そうだな」
葵
「?」
岩泉
「俺等の為でもあったんだもんな
その、なんて言うか………
とりあえずあれだ
おつかれ」
グシャグシャっと私の髪の毛を乱す本人は違う方向を向いていた
紅潮している耳を見て、キュンとなる
葵
(………??
キュン?
なんか、自分の体温も高くなったみたい……
あれ?)
これが、恋なのですか?
―end―