第21章 夏の海【西谷 夕】
大分泳げるようになった私は、夕の手がなくても泳げるようになっていた
西谷
「っ!!葵!!
そっちはダメだ!!!」
ーーーーードボンっーーーーー
葵
(どうしようっ
また溺れる…………
そしたら、今度こそ
死ぬ…………)
かすれる意識
上から誰かがこっちに手を伸ばす
降りてくるその人は、私の手を掴み、引き寄せる
そして、
キスをした
葵
(あ………
酸素だ)
ハッキリしてくる意識
その人は、夕だった
海上に上がる
夕は、私を抱きかかえて陸の方まで歩いていってくれた
そして、
西谷
「よかった…………」ギュッ
葵
「夕っ…………
ありがとうっ
怖かったよぉーーっ」(泣)
よしよしというように、優しく頭を撫でてくれた
西谷
「言っただろ?
何があっても、俺が守るって」ニッ