第17章 ブラザーコンプレックス【岩泉 一】
―家―
葵
「ムゥー」
岩泉
「どうした?」
葵
「お兄ちゃん、及川さんとばーっかりイチャイチャして!」
岩泉
「別にイチャイチャなんかしてねーよ!」
葵
「してたよ!なんか、おしどり夫婦みたいだったよ!」
岩泉
「お、おし………」
(葵は寂しがり屋だからな)
「悪かった ごめんな」
頭を撫でられる
葵
「お兄ちゃん、明日も試合なんでしょ?」
岩泉
「ああ」
葵
「頑張ってね!!」ニコッ
次の日の試合は勝った
勝ったけども、及川さんは喜んでいなかった
影山君に変わられたから
及川さんは、終わったあとも今日も居残りしているらしい
クイクイッ
お兄ちゃんのジャージの裾を引っ張る
岩泉
「なんだ?」
葵
「嫌な予感がする………
さっき、影山君が体育館に入っていったの」
お兄ちゃんは体育館へ歩いて行った
入り口で立ち止まると急に中へ走りに行った
岩泉
「落ちつけこのボゲッ」
怒声が聞こえてきたので、私も中へと入る
そして、目にしたものは
お兄ちゃんが及川さんの顔面目掛けて頭突きするところだった
そして、私のお兄ちゃんは及川さんを励ました
どんなにきつい言い方でも、それはとても
心強い励ましだった