第8章 悔しい涙
「「「彼女ができたぁぁぁぁぁあああ!?!?」」」
西谷と日向と影山が一斉に叫び、部室に響いた。
鼻を天狗のように伸ばした田中がドヤ顔して言った。
「おうよ!」
「へぇ、田中にねぇ」と3年生の3人が口を揃えて言う。
「田中さんを好きになる物好きもいるもんだねぇ」と月島は鼻で笑う。
そのことに対して田中は月島を一瞬睨む。
「おめぇ!いつの間に!」
「田中さぁん!どんな人か教えてぇ〜」
影山は信じられないような目付きで田中を見る。
「いいか、よく聞け!」
「「は!」」
西谷と日向は興味津々のようで、目を輝かせている。
「一言で言うと........美女だ」
「「おぉぉ!」」
「そして、何と言っても。ギャップがいい!」
「どんなギャップだ!?」
「それは言えねぇな、ノヤッさん」
「な!どうしてだ!」
「それはな、惚れてしまうからだ」
真顔でそんなことを言う田中を見て、西谷と日向以外の皆は
(((なに、言ってんだ........)))
と呆れて思う。
「そういう訳で!俺は今日彼女と帰るぞ!」
「は!?おめぇ、一人だけ抜け駆けかよ!」
「ふっはっはっは」
(((ウザくなってきた........)))