第1章 当って砕けろ!!
菅原side
俺には好きな女の子がいる。
その女の子は今度、弓道でインターハイに行く。
俺は何度もその子の弓道を見に行った。
その弓道に臨む姿勢は誰よりも美しく、誰よりも迫力がある。
あぁ、この子は本当に全国を目指している。
他の3年とは比べ物にならないな。
弓道をしたことがない俺がそう思う程にだ。
ルールなんか分からなくたって、見ているだけで楽しかった。
俺は休憩時間の時に毎度毎度弓道場を覗きに行く。
そんな俺を不思議に思ったのか、大地が
「お前、休憩時間になるといつも何処行ってんの?」
「さぁ。内緒だ」
俺は、俺以外の人間にあの美しい人を見せたくなかった。
なのに、大地は俺の後を追い、着いてきた。
「なんで大地が来るんだよ
「だって気になるから」
「気にならなくていいんだよ」