第5章 いざ、勝負!
クラスの子が
「先輩が呼んでる」
と言われたので、行ってみれば、知らない女子がニコニコして待っている。
「バレー、中学のときにやってたよね?」
え、なにいきなり
やってたけど
「あぁ、はい....してました」
「あ、よかったら今度の試合まででいいの。出てくれない?」
「はい?」
なに、言ってんの?
この先輩。
「人数足りなくってさ、このままだと試合に出られないんだ。ね、お願い!」
いや、そんなこと私に言われても....
つーか私バレー部じゃないし。
「なんで、私なんですか?他にもいるじゃないですか」
「いや....それが....吉村さん以外にはもうふられちゃって....」
目を右往左往に動かす。
必死なんだなぁ。
私にどうしても助っ人として出て欲しいらしい。
「分かりました」
その瞬間、この先輩はキラキラした目で私は見つめる。
「ほ、ほんとにいいの?」
「はい。あ、でも、私も部活あるので、練習はそのあとにあるんですが」
「うんうん!いいよ!ほんとにありがとう!」
私の手を握ってぶんぶんと上下に振る。
少し痛い。
「あ、私女子バレー部主将の道宮!よろしく!」
「私は吉村美颯です。お願いします」
あ、そういや、道宮先輩、私の名前知ってたな....
なんでだろ。
「あ、そだ。部活、何時に終わる?」
「18時20分です」
「あ、よかった。19時からちょっとした試合するから、体育館来てね。それじゃ!」
「あ、あの!」
あー行ってしまった....
今日体育ないから部活のジャージしかないけど、いいのかな。
まぁ、いいか。
つか、私ポジションどこだ?