第3章 近所
嫌だな
田中さんじゃなくて俺を見て欲しい
なんでだろ
なんか腹たってきた
いきなり黙った俺を不思議に思ったのか、吉村さんはこちらを向いている。
いつの間に分かれ道が来たのか、ここには俺たち2人しかいない。
「どうしたん?なんかあったん?」
「聞いてもいいですか?」
「え?なにを?」
「俺今凄く田中さんに腹立ってます。田中さんと吉村さんが同じクラスだとか、仲いいとか聞いたら凄く腹立ちます。どうしてか分かりますか?」
なに聞いてんだろ
わかるわけねーじゃん
「えっと........。それって私のこと好きで、田中に嫉妬してるとか?」
「え?」
「え!?違うの!?うわ!めっちゃ恥ずかしいやん////」
好き?
俺が?
吉村さんを?
つか、好きってなんだ?
「好き....かもしれません」
「へ?」
「俺、好きとか分からないんです。だから、好きなんだと思います」
「あ、うん。とりあえず、それって告白?」
「あ............」
今更気付いた。
顔が熱くなる。
やばい
めっちゃ恥ずかしい