第1章 当って砕けろ!!
菅原side
知っていたよ。
吉村に彼氏がいることなんて。
だからさ、そんな悲しい顔しないで。
「うん。ちゃんと、振ってくれてありがとう」
「え?」
「俺は本当に吉村のこと好きだけどさ。ただ、気持ちを知って欲しいって思ったんだ。だから、忘れないでね?」
「え、うん。うん!忘れないよ!」
「んじゃ、お互い部活に戻りましょう!」
吉村はたたたと戻って行った。
俺はそれを見送ったあと、体育館に戻った。
あぁ。
なにきれい事言ってんだろ。
知って欲しいだけなわけないじゃん。
馬鹿だなぁ....
俺はひっそりと泣いた。
『当って砕けろ!!』fin.