第10章 初めてのインターハイ予選
試合が始まる30分前の2時までは各自で自由に過ごしていいとのこと。
なので私は軽くお昼ご飯を食べてくつろいでいると澤村くんがやってきた。
「なぁ、白鳥沢って高校知ってるか?」
「白鳥、沢?知らない」
「知らない!?宮城に住む人なら大抵知ってると思ってた。それに高校生でバレー好きなら誰もが憧れる高校なのに」
「仕方ないじゃん。こっちの中学校に通ってなかったし・・・」
「こっちの中学校じゃなかったらどこの中学校に通ってたの?」
「東京」
「東京ぉぉぉぉ!!」
澤村くんが大声を出したので周りにいた人たちが私たちを見た。そのついでに孝支くんと東峰くんもやってきた。
「どうしたの?大地」
「菅、お前知ってたか?」
「何が?」
「生野、東京の中学校に通ってたってこと!」
東峰くんは「ええええ!マジで!?」という反応を見せる。孝支くんは「知ってるよ」という反応。
「大地も旭も3か月一緒にいてて気付かない?俺、夏妃ちゃんって下の名前で呼んでるってこと!」
記憶を探り出す澤村くんと東峰くん。
「そうだ!そうだよ!菅は生野のこと夏妃ちゃんって呼んでる!それに帰る方向も一緒だ。」
「ああ、そう言えばそうだ!」
頷く東峰くん。
「俺たち家近かったから毎日遊んでたんだよね。小一の頃までは」
「そうなの!幼馴染みってやつかな?
でも、私の親の都合で東京に移ることになったからそこから残りの小学校生活と中学校は東京だったってわけ!分かった?」
「「へぇ〜、生野も大変だったんだな。」」
完璧なハモり。素晴らしいです!
と、いろいろ話していると2時前になるので集合場所に戻ることにした。