第4章 開始
現在17対24 先輩チームのセットポイント。
「案外、先輩に食いついてるけど、うまく機能してない気もする・・・。」
機能してない理由を考えていたら試合が終わってしまっていた。
「みんな、お疲れ様。先輩もお疲れ様です。」
私と潔子は試合をしていた6人にドリンクとタオルを渡した。
そして少し会話をしていると部長、いや、キャプテンというべき?が少し話があると言ってきたので体育館の隅に向かった。
「ぶ、・・・キャプテン、話とは何でしょうか?」
「さっき、あの3人がうまく機能してないと言ってたのを聞いた。どこがどう機能していなかったかマネージャーの目線から聞きたいと思ってな。」
「そうですか・・・。聞こえてたんですね。
私が個人的に思っていただけなんですけど、みんなは一人ひとりいいところを持っています。それに、3人とも中学の頃からバレーしていると聞いていたので、その頃から自分のポジションは分かっているはずだと思っていたんです。でも今日の試合を見ているとそれぞれがいろんなポジションをしていたと言うか・・・。あ、すみません。分かりにくい説明で、説明するの苦手なんです。」
「いいさ、言いたいことは分かるから。まだあるなら教えて欲しい。」
「はい。そのポジションなんですが、雰囲気を見ていると、澤村くんと東峰くんがウイングスパイカー(WS)で孝支k・・・じゃなくて菅原くんがセッター(S)をやっていたと思います。でも今回は・・・「Sがたまにスパイカーをしていた、と言うわけだな」そうです。だからうまく機能しなかったのではと思っていただけなんです。」
「ありがとう。助かったよ!生野は観察力があるんだな。」
「観察力ですか・・・私はただのバレー好きかと思っていたので、そう言われるなんて初めてです。」
「そうか!!じゃあ、その観察力頼りにしてるからな〜!」
そう言って体育館のみんなのいるところに帰っていった。初めてバレーで褒めてもらえて嬉しかった。