第2章 入部
「夏妃ちゃん?懐かしいわ〜。それにしても見ない間にこんなに綺麗になって。」
き、綺麗だなんて・・・お世辞でも、照れる///
「そ、そんなことないです。」
「そんなことあるある。お茶、いるかしら?」
「お気遣いなく。迷惑かもしれないので、すぐ帰ります。」
「そう言えば、なんで帰ってきたの?
あ、帰ってきて欲しくなかったわけじゃないんだけど、いきなりだったから。」
今まで黙っていた孝支くんが喋り出した。
「元々、父親は居なかったでしょ。それで母がどんどん病んでいっちゃって倒れてしまってね、私一人じゃ暮らせないって言われて東京の叔母さんのところに住んでたんだけど、やっぱり田舎っ子なのかな?都会暮らしに慣れなかったの。あと・・・色々あったし、だから高校生になることを期に戻ってきたの。」
ふーんと言う反応。まぁ、身の上話を興味持つ人がいるわけないね。そこで孝支くんのお母さんが暗くなってきたため、孝支くんに送って上げるように言った。だから私は帰ることにした。
「孝支くん。ありがとう。みんな知らない人ばかりだから不安だったけど、孝支くんが居て安心しちゃった。」
「うん!俺も、また夏妃ちゃんと話せて嬉しかった。明日部活見学する?もし一人で行けないなら、1組に迎えに行く。」
「じゃあ、お言葉に甘えます。
部活見学は孝支くんのいる男子バレー部にしようかな。」
「えっ!ほんとに!?嬉しいな。」
という訳で、明日、私は男子バレー部の見学をします!
家まで送ってもらい、別れるときの孝支くんの顔は凄く笑顔だった。明日が楽しみ。