智
あいつ、一度決めたことは曲げられねえからなあ。
言う通りにするしかねえだろ?
潤
…マジ?
智
ああ。
潤。おめえのことは俺がちゃーんと面倒みるからな。
智は丁寧に離婚届を書いて、三つ折りにして卓袱台の端に置いた。
智
あーあ。
余計なことまで思い出しちまった…。
智
おでは、翔ちゃんとのことを思い出そうとしたんになー。
でも、ま、あいつと別れたから翔ちゃんと出会えたんだしな…。
《ズズッ》
智お爺ちゃんは湯呑みのお茶を飲み干すと、卓袱台に手をついて立ち上がった。
智
そういや、あれ、どこやったっけかな?
智お爺ちゃんは台所に行き、水屋箪笥の引出しを開け、ゴソゴソと中を探してみました。
智
うーん…。
ねえなあ…。
(どこにしまったかな?)
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