智
ふぅ、ごちそうさん。
いやあ、食ったな。
それにしても、翔ちゃんがここまで料理作れるようになるとはなあ。
智お爺ちゃんは、食べ終わった後片付けをして急須にお茶を淹れてから居間へ行き、よっこらせ、と座椅子に腰かけました。
智
あれから…20年かあ…。
《ズズッ》
智お爺ちゃんは、思い出していました。
あの日のことを。
智
あいつ、おっせえな。
買い物に出てから夕飯時になっても戻ってこない妻に空腹も相まって、次第にイライラが募ってくる智。
智
あーあーあー。
はーらーが、へーりーまーしたよー、っと。
智は誰もいないことを承知の上で、独り言つ。
それから、居間の掛け時計で再度時間を確認し、仕方ない、と呟いて、干しっぱなしの洗濯物を取り入れた。
智
あーあ。
なんで俺がこんなことせにゃならんのだ?
早く帰ってこいよなー。
智は、グチグチと文句を言いながら洗濯物をたたみました。
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