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日記
セイとベイビーの話


「ねえ。あのさ、子供、好き?」
「ん?なんで?」
「いや…その…俺とじゃ…子供、欲しくてもできないだろ」

お前はそれでいいのかって、酷く苦しそうな表情で訊くから私はくすりと笑った。

「セイと居られれば幸せだよ?それに、ここに子供いるし」
「っ俺は大人です!…もう、意地悪なんだか優しいんだか…そんなとこも好きだけど…」
「私もセイ好きだよ」

頬を染めながら私の肩に顔を埋めるセイ。その背中を撫でると彼の温もりを感じる。
こうやってよしよしって撫でれば私の母性は満たされるんだ。そりゃあセイとの子がいたらと考えることもあるけれど。

セイがいつだか言ったように、そうやって考えられる相手がいるって事がとても幸せなことなんだって思うから、いいんだ。

「まあセイがどうしても赤ちゃん欲しいなら、それも可能ではあるよね。容姿はセイに似てないだろうけど…」
「え?っいやいや!それはダメ!ダメ!」
「ダメなの?そっか…今流行ってるからいいかなーと思ったんだけど」

前に動画で見たとても精巧に作られた赤ちゃんロボットを思い浮かべる。なんと涙を流すロボットなんだ。
3時間おきにミルクをあげなきゃいけない上に夜も問答無用で泣きまくるというリアル仕様。排泄機能もついてるんだって。

セイは目をまん丸くして「流行ってるの!?え!?」と何やら困惑している。

あまりにわたわたしてるから、そんなに驚くこと?と首を捻って動画を見せてあげたら項垂れて溜息をついていた。
なんだと思っていたのだろう?

「ふふっセイは可愛いでしゅねー」
「や、やめろよ…」
「嫌じゃないくせにー私のベイビー?」
「うああー!逆!俺がそれ言いたい!」
「あなたにはまだ早いわよーほらそろそろおねんねしましょーねー」

セイは不服そうに口をへの字にする。でも潤んだ瞳と赤い頬はやっぱり嫌じゃないって顔だ。
膝に寝かせて体をとんとんと揺らしてあげるとセイは顔を押さえて悶えるからおかしくて笑ってしまう。

「悪くないって思ってしまったぁぁ…ううぅ…」
「可愛いなぁセイは」

前髪を上げながら額を撫でるとセイははたとしてから口元を緩めて私の頬に触れた。

「下から見上げるお前の顔も、いいな」
「………その台詞いかがわしい本で見た」
「いやいや!今のはそういう意味でいったんじゃないからな!?」



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[関連ジャンル] 二次元  [作成日] 2018-10-09 03:01:38

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