『彼女の第一印象は?』
そう尋ねると、誰も彼も似たり寄ったり、もしくは同じ応えをする。
『人懐っこい人!』『明るくて、人好きな子。』『誰にでも優しい人ね。』『親切な人だよ?』
______ だが、"僕"は。
"ボク"だけは、彼女への問いにこう応える。
"『彼女は、ただの嘘つきだよ。』"
他者の前では、彼女は"善人"になる。
裏がある訳でもなく、意図がある訳でもなく、只々"善人"となれるのだ。
困っている人がいたら迷わず声をかけ、泣いてる子供がいたらおどおどしながらも声をかけ、助け、尽くし、思いやる。
本当に、吐き気がするほどの"善人"なのだ。
でもね、"ボク"だけは、知っている。
彼女が、なぜそんなにも"善人"になれるかということを。
「"ボク"だけが、知っている。」
私は、"善人"を演じる。
絶対にボロなんて出ない、完璧な"善人"を。だから…誰もが自分を"善人"だと言う。
"「ア…嗚呼、早ク、く……アラわ&@€、、カナ?」"
壊れかけの狂ったロボットのように、電波接続の悪いテレビ画面のように。
自分の頭の中で、繰り返し、くりかえし、善人を演じている時にだけ、聴こえる「コエ」。
でも、その声が誰の声かわかった時、私は絶望と共に嗤った。
自分を、世界を、運命を。
そして、全く同じ台詞を只々無感情に、呟くのだ________
善人を演じる彼女を、"ボク"は嗤う。
嗤いながら、彼女に投げかけるのだ________"『あぁ、「早く…現れないかな?」』"
"『「嘘を見つける、本当の自分を見つけてくれる、その人が。」』"
もし、そんな事が起きたなら、「私」は。"『ボク』"は。
"『「一体、どんな表情を、するのかな?」』"
それを楽しみに、決してあり得ない事に期待胸を躍らせながら、生きていこう。
永くて一瞬の、我が人生に。
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