第23章 正直系女子:氷室

どうしたんだろう。
今日はのお部屋にお邪魔してるんだけど……来たときからどうも様子がおかしい。
怒ってるみたいだ。


「大丈夫？　何かあった？｣

「いや……別に」


絶対何かあるな。
話したくないことなら無理に話してほしくはないけど……。

頑張り屋なんだから、たまには頼ってくれていいのに。


「ならいいんだけど……あんまり一人で抱え込みすぎるなよ？　いつでも力になるから」

「………じゃあ、聞いてもいい？」

「いいよ？」

「私は……辰也の、一番？」


そんな質問するなんて、珍しい。
……何かを怖がるような目で、声で聞いてくるなんて。

近づいて顔を覗き込んだら、悲しそうな目。
……それにオレと目を合わせてくれない。


「辰也、いつも好き好き言ってくれるけど……」

「うん、そうだよ？」

「けど……不安で……」


いつもは自分の言葉や行動に自信を持つ君。
こんなに不安にさせてたのは、やっぱりオレだったのか。


「思ってること、全部聞かせてくれないか？」