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ジル クリストフの躾

第1章 ~アラン~


『最近アラン殿と親しいようですね』
『え…』
『いいのですよ、貴女は私以外ならば誰でも選べるのですから』
『ジル…っ』
(どうしてそんな事を…ジルの好きなマドレーヌのレシピをアランに聞いていただけなのに)

『ジル…誤解です、私』
持っていたバスケットごとジルの胸に押し付けて言った。
『これをジルに作りたくてアランに教えてもらっていただけなんです』

ジルはバスケットにかけられた布を捲ると微かに目を見開いた後、小さく息をついて目を覆った。

『貴女の事となると…』
まゆりの手をとりそっと口づけながら
『あらぬ誤解を。許していただけますか』
『ジル…もちろんです!!』
『マドレーヌより先に貴女を味わいたいのですが』
真っ赤に染まりながら頷くまゆりを見つめながら
掴んでいた手を引き寄せ胸に掻き抱いた。

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