第3章 one
何時間泣き続けたかもわからなかった。
もしかしたら、何時間って単位じゃなかったかもしれない。
それぐらい泣いた。
静かすぎて、考えたくなくても考えるしかなかった。喰種の本性、喰種捜査官に対する恐怖。
それと
憎しみ。
母と父が生きていて、私の元に...
なんていう考えはすぐに捨てた。
家族だから、直感でわかる
きっと母と父は一緒に死んでる。
解放されたんだ
喰種というものから。
母たちはそれで幸せだろう。
次生まれて来る時は人間になって、幸せにしてほしい。
でも、今までにやってきた馬鹿な"人間ゴッコ"はもうおしまい。
"私は喰種
喰種は喰種らしく生きていればいい"
そうして、私の心に黒いものが塗られていく。
頬を流れてた涙も、もう乾いていた。