第3章 キオク
蓮は、ポケットから鍵を取り出して、見ていた。香李は、蓮の言葉に、首を傾げる。それに、気づいた蓮は気にするなと言ってから、再びポケットにしまう。
「蓮……優稀も見つかってないの?」
香李の質問に、蓮は複雑な表情を浮かべてからポケットから優稀の携帯を取り出す。そして、それを香李に渡す。彼女は、とても驚いた表情をしていた。
「これ……優稀の携帯?……優稀は、居なかったの?」
「あぁ……俺が行った時には何処にも優稀の姿はなかった……。」
蓮の言葉に、今でも泣きそうな表情を浮かべる香李。しかし、彼女はけして涙を流してはいなかった。やがて、大きな深呼吸をして蓮に向かって言った。
「蓮!優稀と稟を探そう!」
「んなもん、わかってる。早く、この村とはおさらばしてぇからな。」
そう言って、神社の周りを歩く。すると、一つの道を見つけて気になり、2人は歩く。数分しない内に、小さな湖が見えてきた。
「わぁ~…湖だ!!」
香李は、余りなも綺麗な湖を見て、目をキラキラと輝かせ、声をあげる。蓮は、面倒くさそうな表情をしていた。
「そんな所に、湖あったけか?」
頭をボリボリと掻きながらそう言った。香李は、少しずつ湖に近づく。湖の中を覗くように見る。しかし、香李の動きが急に止まり、顔色が真っ青になった。
「な…………んで…………。」
「あ?何かあんのかよ?」
蓮も気になって、湖に近づく。そして、蓮も湖を覗き込む。其処にあったのは……。
「なんだよ!これっ!?」
蓮達が見たものは、大量の人間の骨らしき物だった。いや、まさに人骨だった。
「俺、こんなの知らねぇよ!一体、何があったんだよ!!」