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死のゲーム

第3章 神無の弓道部。


いよいよ放課後になってみんなは部活に行く。私も入部届を出した弓道部に行く。部員は1・2年生を合計して50人。その内、大会に出られるのはたった3人だけ。今は三浦、遥くんが決まっているらしい。私がそこに入るのは難しいと思った。いくら、家元といえど、中学で引退してから、練習もしていない私が入れるとは思ってない。やっぱり基礎を一からやり直そうかな。でもそれだと時間がかかる。どうしよう。
「あ、いた!白雲ちょっと一戦交えてよ!」
「三浦・・・。あ、ちょっと待って。私引退してから練習一回も・・・。」
「白雲ならできる、俺でもできたんだから。白雲にできないわけない。」
仕方ないけど、一戦交えるしかないらしい。なんだか、ギャラリーが集まってきた。まぁ、みんなの期待はどうせ三浦だ。私には向くはずがない。
バシュッ
久々に弓を射る。懐かしいな、この感じ。思い出す。三浦との勝負は私が勝った。でも勝ったのにあまりいい気分にはならなかった。
「あーあ。やっぱ、白雲は巧いよ。相変わらずだね。負けたよ。」
今日のの練習はもう終わりらしい。私は橙色に染まる道場の中で一人泣いていた。やっと流れた涙。母さんが死んだことがやっと哀しいと思えた。きっと私は母さんが死んだから弓道を嫌いになったんだ。でもやるとやっぱり気持ちよくて、いつも母さんと勝負してた日々を思い出しちゃう。だから私は1年間弓道から離れてたのかもしれない。顔をあげれば美しい空が広がっているのに、顔をあげれば私は私の大事な何かを無くしそうで耐えきれなかった。
「もしかして、花?」
道場の扉の向こうから聞き慣れた声がした。
「・・・遥くん?なの?」
扉を開けて、遥くんは道場の私がいるところまで歩いてくる。足音が徐々に近くなって、少しずつ怖くなった。気が付くと私の目の前に遥くんがしゃがんでた。
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