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【丸井ブン太】そんなアイツは。

第5章 急展開


翌日、朝練に行くと腕に包帯を巻いている唯がいた。少し痛むのか時々顔を歪めている。
「ブン太、はよ〜」
いつもと変わらずに唯は俺に挨拶をした。俺も挨拶をして着替えた。
いつも通りのキッツーイ挨拶が終わり教室に行く。
「プピッ」
後ろから変な声が聞こえた。俺の知る中ではこんな変なの、あいつしかいない。
「朝練ぐらい顔出せよ。仁王」
俺が呆れ気味に言うと仁王は笑ってはぐらかした。
そのあと、特に会話をするでもなく微妙な空気が流れた。



昼休み、母さんからメールがきた。『好きな子、連れてきなさいよ』と。
俺は驚いてむせかえる。それを友達は面白いのかケラケラと笑っていた。その後に続いてまたメールがくる。『命令だからね』。
有無を言えない状況に俺は溜息をついた。
「なに?彼女から?」
「ちげーよぃ」
俺は適当に応え唐揚げを口に入れた。



さて、どうやって誘おうか。てか、急に誘って大丈夫なのだろうか。
グルグルと思考を巡らせていると後ろから肩を叩かれた。俺は後ろを向くとそこには唯がいた。
「ない頭で考えんなって」
いつもなら俺はそこで何かを言い返していたがこの時は頭が回らなかった。
「今日、俺ん家、来いよ」
ぶっきら棒にそう言い早足で歩き出した。

──やってしまった、
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