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SAOGs

第21章 第31層~第40層 その3 "喧嘩花火"


それから数日―
ジンがあの男に会う事はなかった

彼としては、あのような獰猛な雰囲気の男になど何度も会いたくはないと感じていた
同時にあの男は別のプレイヤーをジンに思い起こさせた

一人―トンファー使いの少年
第一層ボス戦以来、幸いというべきか彼には会っていない
それでも十分に記憶に残る獣染みた力と暴虐に塗られた雰囲気―まさにあの男だ

そしてもう一人―白い少女
仲間から"リリィ"と呼ばれ、目を見張るべき爆発力を持つ彼女、そして彼女の仲間にも暫く会っていない
その彼女と先日会った男―どちらも肌から髪から真っ白であった
別段それが何になるという訳でもないが、思い起こすには十分な程の共通項であった

そのような共通項を持つあの男
噂程度の話だが、どうやら聖槍十三騎士団らしいという事をジンは何処かしらから聞いていた
その話が、また彼を混乱させる
見た目以上の危険な雰囲気―ああいうのを纏っている人間はまともじゃない
自分が最強だと信じて疑わないし、誰かに従ったり協力するなど有り得ない
そういう雰囲気の男が何故――

疑問には感じた
しかし、そればかりにかかずらう訳にはいかない
気を抜けば待っているのは死のみ
だから彼は彼自身を、常に危険な状況に置いてきた
甘い環境には居られない―だから一人で居続ける

(今は気にする程でもない…)

そう自らを抑えて、彼はまたフィールドへ繰り出す

今度は前回とは異なり目的の敵はいないものの、自らを鍛えに出たのである

またも森の中―
朝早くからフィールド中を駆け巡り、敵を倒す
携帯した食料をその場で食し、もう一度フィールド中の敵を探索しつつ、倒す

単調ではないが、繰り返し繰り返し敵を斬って倒す
そうこうしている内に、辺りは夜となっていた
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