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SAOGs

第19章 第31層~第40層 その1 "Chase"


「リリィ!!」

音楽が鳴り止んだ瞬間、何者かによりリリィが空へ弾き飛ばされた
ケンタに一瞬見えたもの―プレイヤーである事は分かったが、それ以上は彼には追えなかった

しかしこれは緊急事態である
何もない方に攻めていったオリジナルセブンの面子
何者かの襲撃を受けたリリィ
どちらを優先かなど考えもせず、ケンタは駆け出そうとした
そんな彼の前に、また別のプレイヤーが上空から降り立った

「ハロー」

満面の笑み、軽く振られる手
小洒落た帽子とストールを身に付けた青年であった
極めてフランクに挨拶をされたがケンタに返す余裕はなかった

「何だよ、こっちは忙しいんだ!」

「忙しいのかい?じゃあもうちょっと忙しくしようか」

青年は笑顔のまま、下から何かを振り上げた
仲間が悉く分散され、焦りに満ちたケンタはそれへの反応が遅れた
だが、横入りしたクリスの持つ盾にそれは止められる
直後、ケンタを飛び越えるようにリアナが斬りかかる
相手は人―故にその一撃には加減があった
それもあってか青年は後ろに跳躍し、軽々と回避する

「突然だなんて怖いなぁ。こっちは自己紹介もしてないのに」

言葉の割には笑顔が崩れていない
それだけに異常である事は理解出来た

「さっきの音楽…貴方の?」

「そうだよ。まぁ正確には、この武器なんだけどね」

そう言う彼の手元には見た事もない武器があった
今の持ち方は完全に片手剣である
しかし余りに華美な装飾、見方を変えれば管楽器のようにも見える

「野郎!!」

それが何かは分からない
だが倒さなくてはならないとケンタは直感―素早く斧を振り下ろすが、これも彼に回避される

「野郎だなんて言わないでよ。ボクは滝川空、ソラって呼んでね」

何処までも笑顔の青年―ソラの態度にケンタは苛立ちと焦りを更に募らせていった
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