第4章 episode 3【ユーリ】〜出会い〜
そんなルリーの仕草に、ユーリは目を細めると繋いでいたルリーの手を包み込む様に重ねた。
「俺はルリー様の執事だから、何があってもルリー様の味方だよ」
「だから…どんな事でも一人悩まないで、ね?」
重ねた手からユーリの温もりが伝わってくる。
(ユーリは私が重圧に戸惑っていた事を解ってたんだ…)
そう思うと、朝感じていたモヤモヤも霧が晴れる様に消えていく……
「ありがとう、ユーリ」
ルリーの口から、いつの間にか素直に感謝の言葉が刻まれていた。
その言葉に暖かな眼差しを向けると、ユーリはまたくるりと向きを変えて、部屋までの道を歩き出した。