第16章 【第十五話】順番待ちの恋
書庫室へ、微かな紙の音が響く。
やがて。
「……でも、そういうところも」
ぽつり、と零れる。
ティファは反射的に顔を上げた。
アレンは少しだけ困ったみたいに笑っていた。
けれど、その瞳だけはひどく真剣だった。
胸が、大きく跳ねる。
アレンは何かを言おうとして、少し迷うみたいに息を吐く。
それから、静かな声で続けた。
「僕は、ティファが――」
その瞬間。
「おーい、アレン」
軽い声が書庫室へ響いた。
振り向く。
ラビだった。
資料を片手に、こちらへ歩いてくる。
けれど、翠の瞳は一瞬で細くなる。
何かを言いかけていたアレン。
それを真正面から受け止めていたティファ。
その間に流れていた空気を、ラビはすぐに読んだ。