第16章 【第十五話】順番待ちの恋
静寂。
それから、深く顔を覆う。
「……それ今オレに言う?」
耳が赤い。
ティファはきょとんと瞬きをして――数秒遅れて、自分の言葉の意味を理解した。
“もし最後まで聞いていたら、なんて答えたんだろう”
それはまるで、ラビの想いを拒絶していないみたいな言葉で。
「……っ」
途端に顔へ熱が集まる。
ティファは慌てて視線を逸らした。
ラビが、指の隙間から低く呻く。
「だから無自覚にそういうこと言うなって……」
ティファは熱くなった顔を隠すみたいに視線を伏せた。
けれど、ラビを避けていた時より、少しだけ呼吸が楽になった気がした。