• テキストサイズ

【HQ】アイミスユーの後遺症【孤爪研磨】

第8章 花緑青をおよぐ金魚



頭は起きてるのに目はなかなか開けられない。寝返りを打つと側頭部に走る痛みに顔を顰めた。ふっと静かな笑い声が聞こえて、ああ、まだ夢の中なんだと錯覚したけど、徐々に瞼が持ち上がっていけば、そこに映ったのは私を見下ろす鋭い猫目。


「………えーっと、おはよ、う……?」
「おはよう」
「………なんで、いるの」
「なんでって、おれの家、だから」
「………」
「………」


回らない頭を叩き起こし、文字通り飛び起きる。
状況が掴めなくて彼をじっと見つめると、コーヒー入れるからって、背中を向けられた。





















「ほんっとに!ほんっとーーに!!すみませんでした!!!」
「声、もうちょっと落として」
「ごめんなさい」


開けっ放しの窓の外、蝉の大合唱より大きな音量の謝罪は、彼の眉間に皺を作った。テーブルに置かれたキンキンのアイスコーヒーを、一気に半分ほど飲み干した頃、うっすらと記憶が蘇るもその後がどうしても思い出せなかった。

宅飲み、2人っきり、後片付け。割とすぐに帰宅した理子と黒尾さんの手には大量のお酒とアテが詰め込まれた袋が3つ。これ見よがしとばかりに、後先考えず煽り散らかした量も覚えてない。そうなった理由は鮮明に覚えてるのに。


欠落した記憶をどうにか浮上させるべく唸っていたら、飲みまくってヘラヘラしながら爆睡したって、怒ってるのか呆れてるのかイマイチ掴めない彼の言葉に血の気が引いた。まあ、朝ここで目覚めた時点で既に青ざめてたけど。


/ 25ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp