• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

たまのケージ【ヒロアカ】

第12章 初恋(相澤消太)


「うるさくて迷惑なんで、ここでは止めてもらえますか」

 ……相澤さん……!

ドアを半分だけ開けた相澤さんは、鬱陶しそうに私達を見ていた。

「ああ、すみません!この子、酔っぱらっちゃってて」
 
麻倉先生は、息をするように嘘を吐いた。
 
そして、私の耳元でコソコソと囁いた。

「繭莉、話合わせて」

 
何故、そんな話に合わせなくちゃならないのか。


私は1ミリも酔ってないし、大体未成年だ。

おかしいでしょ。

「……私、酔ってません。未成年だし、お酒なんて飲んでません!いい加減、離して!」

私は、力一杯先生の胸を押した。

「繭莉!バカお前!」

先生は、また私の身体をドアに押し付けようとした。

 ……もういや……!

そう思ってぎゅっと目を瞑ったけれど、身体は自由に動いた。


「馬鹿はあんただろ」


相澤さんが、先生の肩をぐっと掴んでいた。

「……あんた、確か教師だったよな」
「痛……それが、何か!?」

相澤さんの手を払おうとした瞬間、先生の身体はダン!と音を立ててドアに押し付けられていた。


「弁えろよ」


先生を睨んだ相澤さんの目は、どこか軽蔑の色も混じっている気がする。

「部屋入るんなら、1人でどうぞ。……それでもこの子を連れてくって言うんなら、通報しますけど。嫌がってるし」


通報、という言葉に先生は相当ビビった様子だった。


「繭莉、今度ちゃんと話そう!」
 
それだけ言って、相澤さんの腕から逃れると自分の部屋のドアを開けてまるで逃げ込むように中に入っていってしまった。

「……」
 
私は、色々な事が起こり過ぎてオーバーフローしてしまったのかもしれない。


しばらく、何も言えずに立ち尽くしてしまった。


「大丈夫か」

相澤さんの声で、我に返った。

「あの、大丈夫です……うるさくしちゃって、すみませんでした……!」

私は、自分が情けないのと、醜態を晒した恥ずかしさで相澤さんから逃げ出そうと背を向けた。

 
けど、足が動かなかった。

 
相澤さんが、私の腕を引いていた。


「……え……」

そして、突然の事によろけた私の両肩をそっと掴んだ。

「泣いてる。……そんな顔で帰ったら、家族が心配するんじゃないか?」

そう言いながら、涙で濡れた私の頬を指で拭った。
/ 471ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp