第18章 義勇の切り札〜冨岡義勇 時透無一郎【強R18】
無一郎は唇の端を拭うと、愛おしさに耐えかねたように再びゆきを抱き寄せた。
先ほどまでの無邪気な笑みは姿を消し、目には深い独占欲と情熱が宿っている。
「…僕のものだよ」
耳元で囁かれた声に、ゆきは身体を震わせた。
無一郎の指先が素肌をなぞり、そのまま強い力で再び引き寄せられる。
重ねられる口づけは深く、息をつく暇さえ与えてくれない。
そして熱く硬い塊が身体の奥深くへと押し込まれると、ゆきは無意識に無一郎の背中に爪を立てた。
その痛みに満足したように、無一郎は速度を上げてゆきを突き上げていく。
一晩中、無一郎は激しくゆきを求め続けた。
自分が一番愛されているのだと確めるかのように、何度も、何度も、壊れるほどに抱き締め合って愛を刻み込んでいく。
激しい悦楽の合間、無一郎の頭の片隅には、どうしても払い取れない陰りがこびりついていた。
義勇とゆきの関係
ゆきが、稽古に行く冨岡さんの屋敷…あの静けさに満ちた邸で二人が稽古だけしているのか?
気になって仕方なかった。
義勇には百合という婚約者がいるはずだ。
やましいことなど何もないと信じたい。
けれど、ゆきが見せるふとした陰りや戸惑いが、無一郎の胸を酷くざわつかせる。
それに…吉原の夜のことを、考えると無一郎は腸が煮えくり返りそうになる…あの夜二人は確実に身体を重ねている…。
言葉にできない不安を打ち消すように、無一郎は朝の光が部屋に差し込むまでゆきを抱き続けた。
ーそして…朝靄が薄く広がる頃。
隣には、抱かれ疲れて静かな寝息を立てているゆきの姿があった。
無一郎は体を起こすと、額に張り付いた汗ばむ髪を優しくかきあげ、その白いおでこにそっと口づけを落とした。
愛おしくて、愛おしくてたまらない。
「…今日も、君は冨岡さんの元に稽古に行くの?」
ゆきは、小さな寝息を立てるだけだ…
眠るゆきには届かない小さな呟きが、静かな部屋にぽつりと落ちた。
朝早くゆきは、用意をし義勇の元へ稽古の為に屋敷を出ていった。
朝方まで抱かれた無一郎の感触が、ゆきの身体にはまだしっかりと残っていた…。