第55章 告げられる想い、壊れていく心 ※
どれほどの時間が経ったのか、わからない。
あまりにも静かすぎた。
は、うっすらと目を開ける。
起き上がろうとして、右手に温もりを感じた。
そして、すぐ近くに、もう2つ。
「……ぅ……っ」
痛みで、声が歪む。
身体を起こした瞬間、世界が軋んだ。
同時に、ジーニストも気づき、ゆっくりと身体を起こし、の傍まで行く。
ジ「……大丈夫……なのか……」
「維……さん……」
その姿を見て、言葉が詰まる。
ボロボロだった。
「……ひどい……怪我……」
反射的に、力を込めようとした。
――治さなきゃ。
その瞬間、横を見た。
「……焦凍……?」
大火傷を負った、ボロボロの轟の隣。
「……勝……己……?」
息が、止まった。
爆豪の腹部には、穴が開いていた。
血の色すら、もう認識できない。
「か……かつ……き……」
声が震える。
喉が、潰れる。
ジ「……一旦、落ち着け」
には何も聞こえない。
そして、右側。
いつの間にか握られていた、この手。
何度も救われた。
何度も支えられた。
相澤。
――その、足が。
片方、なかった。
「……っっ……!!」
音にならない悲鳴。
「な……ん……で……」
呼吸が、崩れる。
「……しょ……た……さん……」
肺がきしみ、酸素が入ってこない。
息の仕方が、わからない。
考えが、繋がらない。
ただ一つ、はっきりと理解した。
――全部、私のせいだ。
血も、力も、この戦場も。
「……っ……っは……ぁ……」
呼吸が、できない。
酸素が、拒絶される。
視界が、暗くなる。
ジ「!!!」
必死に呼ばれているのに、声は遠い。
焦点は合わず、胸は上下せず。
このままでは、終わる。
そう判断したジーニストは、一瞬だけ迷い、
ジ「……すまない」