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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第52章 奪われた夜、青い炎 ※


ふと、別の記憶が、胸の奥を掠める。

あの日。
ホークスと過ごした時間。
あたたかくて、穏やかで。

そして、その直後に、荼毘に抱かれた夜。

(……あれは……)

無意識に、拳を握る。

怖かった、混乱していた。
優しく触れられたことが、余計に分からなくて。

でも。

(……あれは……無駄じゃなかった……?)

自分が囮になったこと。
自分が連れていかれたこと。
自分が、あの場所にいたこと。

それが、この情報に、少しでも繋がっているのなら。

(……少しでも……啓悟の役に立てたなら……)

救われる気がした。

たとえ身体が震えても。
心が擦り切れても。

(……意味は、あった……)

そう思わなければ、前に進めなかった。

でも同時に。

(……それでも……)

胸が、痛む。

(……啓悟は……全部、背負ってた……)

自分を危険に巻き込み、それでも感情を見せず。
誰にも頼らず。

(……ひとりで……)

その事実が、作戦の重さ以上に、の胸を締めつけた。

(啓悟…、どうか……)

言葉にしない。
祈りにもしない。

ただ、胸の奥で、強く思う。

(……無事に……この戦いが終わって……
……帰ってきたら……)

その先を想像するだけで、少し喉が苦しくなる。

もう一度。
今度は、ちゃんと。

抱きしめて、「もう羽を休めていいんだよ」って。

そう言って、今度は自分が、支えられたらいいな。
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