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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第50章 揺らぐ静寂、寄り添う想い ※


「はぁ…っ……はぁ……」

静寂だった。
外の風の気配すら消えたような、2人しかいない夜の深さ。

相澤は、の肩に額を落としたまま、ゆっくりと息を整えていた。
触れ合っていた温度が少しずつ落ち着くと、その代わりに重たい沈黙が降りてくる。

そして相澤は、低くかすれた声でつぶやいた。

相「……悪かった。弱ってる俺に気を遣わせた。……無理をさせて、すまない」

自分を責めるみたいな声だった。
触れ合った距離よりも、心だけが遠く離れそうな声。

はゆっくりと身体を起こして、相澤の頬に触れた。

「無理なんてしてません。……“消太さんだから”、です」

言った瞬間、自分で驚くほど素直で、情の深い声だった。
まるで告白みたいに聞こえて、胸が熱くなる。

相澤の目が、ふっと揺れる。

でも胸の奥には、ひっそりと、痛みが走る。

(でも私には、消太さんだけじゃない…)

空のように自由に手を伸ばしてくれたホークス。
火のように真っ直ぐぶつかってきた爆豪。
静かで深い想いを向けてくれた轟。

彼らの気持ちも確かにあって。
ほんの一瞬、胸にちくりとした罪悪感が刺さる。

でも、は相澤から手を離さない。
指先に、その矛盾が全部出てしまっていた。

(……こんな私が、誰か一人に寄りかかっていいの?)

その迷いが、隠しようもなく表情ににじむ。

相澤はそれを見逃さなかった。
相澤は静かに、ゆっくりと身体を起こし、ためらわずにの肩を腕ごと包み込む。

強く抱き寄せるんじゃない。
逃げ道を塞ぐんじゃない。
ただ、迷っている心ごと、そっと抱きしめるように。

相「……全部、背負わなくていい。他の誰を想っててもいい。それでも……今、苦しいなら、俺に寄りかかれ」

その声は、責めるでも求めるでもない。
ただ優しくて、あたたかくて、自分の弱さすら抱いてくれようとする声だった。

胸が締め付けられる。

は目を伏せて、抱きしめ返す力をほんの少し強めた。

「……消太さんには……できるだけ、素直でいたいんです」

その言葉に、相澤の手がわずかに震えた。

そして相澤は、何も言わずに、もう一度さっきより深く、確かにを包み込んだ。
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