第15章 秘密の部屋
「パーシー!」ロンが机を叩いて立ち上がる。
「ジニーが何か大事なことを話そうとしてたんだぞ!」
紅茶を一口飲んだパーシーは、むせ込みながら咳き込んだ。
「ど、どんなことだ?」
「僕が聞いたんだよ。何かおかしなものを見たのかって。そしたらあいつ、口を開きかけて――」
「ああ!それは『秘密の部屋』には関係ない!」パーシーはやけに慌てて遮った。
チユは眉をひそめ、じっとパーシーの顔を覗き込む。
「なんでそう言い切れるんだよ?」ロンの声が吊り上がる。
「う、うん……」パーシーは珍しく口ごもった。耳の先が赤くなっている。
「実は……先日、僕とジニーが廊下で偶然出会ったんだ。その時、僕が……その……あの子に見られては困ることをしていてね。それで、誰にも言うなと頼んだんだ。あの子は約束を守ると思ったのに」
「見られては困ること?」ロンがにやりと笑う。
「へえ、吐けよ。笑わないから」
「笑うに決まってるだろ!」パーシーは真っ赤になり、紅茶に顔を突っ込むようにしてごまかした。
チユはロンとハリーを交互に見て、小声で言った。
「……でも、もしジニーが怯えてるなら、やっぱり放っておけないよ」
パーシーは聞こえないふりをして、わざとらしく声を張った。
「ハリー、パンを取ってくれないか。腹が減って仕方ないんだ」
その様子は、まるで話を打ち切るための盾のようだった。
――パーシーの秘密。ジニーの恐怖。
胸の奥にしこりが残り、チユはフォークを握る手に力をこめた。