第16章 仕掛けられた罠
「僕たちは4階の例の廊下の外で待機しよう。さあ、行こう」
ロンに促され、チユはハリーと共に歩き出した。だが、この計画はあっけなく失敗に終わる。
フラッフィーを守っている扉の前にたどり着いた瞬間、またしてもマクゴナガル先生が現れたのだ。
今度こそ、彼女の堪忍袋の緒が切れたらしい。
「何度言ったら分かるんですか!あなたたちが魔法陣の守りよりも強いとでも思っているのですか!? もし、またこのあたりをうろついていると耳に入ったら——グリフィンドールは50点減点です!」
チユ、ハリー、ロンは仕方なく談話室へ戻るしかなかった。
「でも、まだハーマイオニーがスネイプを見張ってる」とハリーが呟いた、そのとき——
太った貴婦人の肖像画が勢いよく開き、ハーマイオニーが飛び込んできた。
「ハリー、ごめんなさい!」
おろおろとした声だった。
「スネイプに……何をしているのか聞かれたの。フリットウィック先生を待ってるって言ったんだけど、スネイプが先生を呼びに行ったの。それでずっと捕まっちゃって……結局、スネイプがどこに行ったのか分からなくなったのよ!」
ハーマイオニーの言葉に、談話室の空気が一気に張り詰めた。
「じゃあ……もう僕が行くしかない。そうだろう?」
ハリーは低い声で言った。その顔は青ざめていたが、緑の瞳には決意の炎が燃えていた。
「僕は今夜ここを抜け出す。『石』をなんとか先に手に入れる」
「気は確かか!」ロンが目を丸くして叫んだ。
「ダメよ!マクゴナガル先生にもスネイプにも忠告されたじゃない!退学になっちゃうわ!それに、さっきも言ったけど、他の罠はどうするつもりなの!?」
ハーマイオニーが強く反論する。
「だからなんだっていうんだ!?」
ハリーの叫び声が、部屋の静寂を裂いた。
「もしスネイプが『石』を手に入れたら、ヴォルデモートが戻ってくるんだ!退学になろうが、そんなことはどうでもいい。ホグワーツそのものがなくなってしまうんだぞ!減点なんて、もう問題じゃない……今夜、僕は仕掛け扉を開ける。
僕の両親は、ヴォルデモートに殺されたんだ」
その言葉に、ハーマイオニーは反論できなかった。
小さく、震える声で——
「……そのとおりだわ、ハリー」
そう言って、静かに頷いた。