第12章 初めてのクリスマス
しばらくすると、リーマスが戻ってきた。
彼は手に大きな鍋を持ち嬉しそうに言った。
「できたよ。クリスマスディナーだ」
リーマスは鍋をテーブルに置き、蓋を開けると芳しい香りが部屋中に広がった。
チユの目の前には、温かいローストチキン、野菜がたっぷり入ったシチュー、そして香り高いハーブパンが並んでいた。
「うわぁ、すごい…」チユは感嘆の声を漏らす。
目の前の料理がまるで魔法のように美味しそうに見えた。
リーマスは照れくさそうに微笑みながら「ホグワーツのディナーにはかなわないだろうけど、せめて君に楽しんでもらえるようにと思ってね」と謙遜した。
「そんなことない!ホグワーツのディナーも楽しかったけど、こうやって落ち着いて食べれるのは久しぶり!」
チユは温かな笑顔を浮かべながら、目の前の料理に感激しつつ、一口食べると、すぐにその美味しさにうっとりと目を閉じた。
2人はしばらく、ゆっくりと食事を楽しんだ。
時折、リーマスが彼女にホグワーツでの出来事を尋ね、チユはその度に、仲間たちとの思い出や、教室での出来事を楽しそうに話した。
リーマスも彼女の話に興味津々で耳を傾け、時折笑いながら応じてくれた。
チユは完全にその楽しいひとときに没頭し、あれほど気になっていたはずのニコラス・フラメルについて聞くこと、そしてマルフォイ家のパーティーに誘われていた事をすっかり忘れてしまっていた。
次の日の朝、チユは目を覚ますと、まだ窓の外には雪が降り積もっていた。
クリスマスの静かな朝、彼女は心地よい温もりに包まれながら、寝室を出た。
居間には小さなクリスマスツリーが飾られ、キラキラと光る手作りのオーナメントが輝いていた。
「おはよう」リーマスがソファに座り、微笑んで彼女を迎えてくれた。
チユは彼に微笑み返し、ふわりとした気持ちでツリーの下に置かれたプレゼントの山を見つめた。
「君に沢山のプレゼントが届いているよ」リーマスが穏やかに言った。
チユは目を見開いて驚きの表情を浮かべる。
プレゼントなんて、人生で一度ももらったことがなかったからだ。
「これ、全部…?」チユは言葉を探しながら、リーマスに尋ねた。
彼が優しく頷くと、チユは信じられない気持ちでプレゼントの1つ1つに手を伸ばした。