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ハリー・ポッターと笑わないお姫様【1】

第11章 ハリーの空中戦




夜、談話室に戻ると、チユはハリー、ロン、ハーマイオニーの3人とともに宿題をしていた。ハーマイオニーは決して宿題を丸写しさせてくれるような甘い人物ではないが、分からないところを教えてくれるのはありがたかった。

ふと、ハリーが立ち上がり、静かに言った。「本、返してもらってくる」

その訳を聞くと、チユが魔法薬を調合している間に、ハリーたちはスネイプに『クィディッチの今昔』という本を、理不尽な理由で取り上げられてしまったのだという。

教室を貸してくれたり、材料を残してくれたりと、スネイプにも意外な一面があるのかもしれないと思った。
だが、そんなのはただの気まぐれで、やはりスネイプは相変わらず嫌な奴だ。


「健闘を祈るよ。」チユは苦笑いを浮かべながらハリーに声をかけ、彼の背中を見送った。


しばらくして、興奮した様子でハリーが戻ってきた。しかし、彼の手には本は握られていなかった。


「どうしたの?」


チユが尋ねると、ハリーは他の生徒に聞こえないようにヒソヒソと話し始めた。

「スネイプはハロウィーンの日、3頭犬の裏をかこうとしたんだ。僕たちが見たのは、そこへ向かう途中だったんだよ。あの犬が守っているものを狙ってるんだ。トロールは絶対、スネイプが放ったんだ。」


ハーマイオニーは目を見開き、驚きながら言った。


「違う、そんなはずないわ!確かに意地悪だけど、ダンブルドアが守っているものを盗もうとする人じゃないわ。」

「おめでたいな、君は。」ロンが手厳しく言った。「先生はみんな聖人だと思ってるんだろう?」

「僕はハリーと同じ考えだな。スネイプならやりかねないよ。」

ロンの声には少しの冷徹さがこもっていた。
「でも、何を狙っているんだろう?あの犬、いったい何を守ってるんだ?」


その場にいなかったチユは黙って、皆の様子を静かに観察していた。
彼らの間に流れる緊張感と、疑念の入り混じった空気を感じ取りながら、何も言わずにその会話を聞いていた。

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