第13章 指輪
繋がったまま私を持ち上げて立ち上がったので、思わず大きな声を上げてしまった。
そのまま彼は移動して鞄の中をゴソゴソと漁り、目当てのものがあったのか、またベッドの上に戻る。
すると突然、あかん!と声を上げて慌てて自身を引き抜いた。
ナカが寂しくなりヒクヒクと脈打つ。
「ゴム忘れた…あーもう決まらへんっ…!」
確かに私も忘れていたけど、決まらへんってどうしたんだろう。
なくてもいいよと言えば、まだあかんやろと怒られた。
さっきまで着ていた服を漁りだし、スボンのポケットに手を突っ込んで、出てきたのはどうやら、避妊具のようだ。
どうしてポケットに…?
買うのを忘れたのでフロントで言ったら貰えたらしい。
そういうもんなんだ?
一度避妊具を横に置き、私の手を取った。
「僕のはなよ…結婚してくれるんよな?やったら、これつけといて。僕のもんって印やから、誰にも手ぇ出させへん。」
頷くと、私の薬指に指輪をはめた。
リボンのような形をしたシルバーのリング。
恐らくダイヤモンドであろう石がいくつもはめ込まれている。
僕の給料3ヶ月分や!と笑って言う彼を見て焦り出す。
防衛隊副隊長の給料っていくらなの…?
遥かに超えたけどってボソッと呟いたのを聞き逃さなかった。
しかし何かを言ってもまた、美影にいっぱい金使いたいねんって言われて終わりだろうと思い、何も喋らなかった。
「ありがとう!私、宗四郎さんの花嫁なる!」
「君はほんまに花嫁よな。花みたいに綺麗や。」
頬を撫でられ、目を細めて見つめてくる宗四郎さんにポーっと見惚れていると、チュッと唇が一瞬触れた。