第8章 告白
隊長の後ろから顔を出すと、宗四郎さんと目が合う。
「なんで君までこないなとこ来とるんや…しゃーないなぁ。」
困ったように笑うと手招きをされたので、彼の近くまで行くと、手を繋がれた。
牽制しとらんと取られてまうと言って、繋いだ手に力を込めた。
「美影はあないな格好で彷徨いたらあかんで?他の男の目、潰さなあかんくなる。」
いきなり怖いことを言わないで欲しい。
もう絶対に露出の多い服は彼の前でしか着ないと決意した。
隊長はすぐにいなくなってしまった。
私も戻った方がいいんだろうか…。
そんなことを考えていると、ベンチに座った彼が私の手を引くので、隣に腰を降ろした。
手を離すと私の太腿に頭を乗せ見上げてくる。
まだ隊員が残っているので恥ずかしいのだが…。
撫でろと言うのでサラサラな髪に手を置いて撫でる。
すぐに嬉しそうに笑った。
好きとボソッと呟いたのでなんだろうと思って聞き直してみる。
「好きやなぁ思て、美影のこと。」
「なっ!急になに言ってるんですか!?こんなとこで…!」
顔真っ赤にして可愛ええなあと優しく微笑まれ、驚いて浮いた手が行き場をなくし、空を右往左往している。
そんな私を見て、ははっと笑ってくる。
彼を見ていて思い出す。
宗四郎さんは先輩に期待していると言っていた。
それがこんなことになって、どう思っているのだろう。
先輩のこれからを考えて怖くなり、変な動きをしていた手を彼の頭に戻し、もう片方の手で彼の服を握りしめる。
彼がどうしたんやと頬を撫でた。
「先輩…どうなりますか…。」
「……僕らがどうにかしたるから、待っとき。」
そんなこと出来るのだろうか。
先輩はたぶん本部に連れて行かれる。
「先輩は…誰も傷付けていません!いつも誰かを助ける為に力を使ってきました!…人でも怪獣でも、先輩は先輩なんです…!」
嘆願書を作る為に、私が知っている先輩のことを教えてくれと言われた。
「お願い…先輩を助けて…。」
我慢していた涙が溢れていく。
その涙を見た宗四郎さんは起き上がり、私を抱きしめた。
「カフカめ…僕の美影を泣かせて……絶対に責任取ってもらわな。」
片腕で自分の体重を支え、もう片方は私の後頭部を掴むように優しく添える。