第5章 栄光の目前 〜決勝トーナメント準決勝〜
●藤堂 天● 〜東京体育館〜
私の隣にキャプテン、その隣にもう1人挟んで、さらにその隣に詩織。
んでその隣に紗恵がいる。
「こ~んなところで
エース様が足止め食らってどうすんのさ?
見てる皆がヒヤヒヤしちゃうじゃな~い」
『分ーってるわ、だから自分で
突っ込むことにしたんだろうが』
ベンチの反対側から、紗恵が茶化してきた。
だから私も、紗恵に聞こえるように大きめの声で言い返した。
「やっぱウチがいないとダメダメだな〜
ウチのエース様は♡」
『はいはいそうですねー』
以前、紗恵本人から聞いたことがある。
紗恵(こいつ)が言うには、「ウチには天の考えていることは全部お見通しなんだよ〜」ってことらしい。
つまり、厨二っぽいことを抜きにして言うと。
私が考えそうな攻撃パターンを戦況から割り出して。
そこから更に、最も可能性が高い攻撃を割り出す。
…と言うことらしい。
かく言う私は、そんなことを考えるよりも、今はもっと重要なことを考えていた。
あぁ〜…スポドリうめぇ…
インターバル以来、再度私の手に戻ってきたスポドリ(それ)を煽り。
私の口内は、冷たさと幸福で満たされた。