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Sweet Love* Part2

第23章 *Happy Birthday 9/9*〜桜井良〜


桜井side


「良君、こんにちは〜。」


「こっ、こんにちは!」


毎日昼休みに教室に来てくれる遠野先輩は、本当に綺麗だ。

にこにこといつも笑顔で、周りの雰囲気をそれとなく変えれて、その場にいるだけで安心できる存在。

頼り甲斐がありそうで、でも実は無茶しすぎたりするところもあって、そういうところもまた人を惹きつける。

クラスメイトには、


「桜井…お前、すごいよなぁ。」


「遠野先輩が彼女って…宝くじで一等当てる以上の価値あるよ。」


なんて言われるほどだ。
あとは、羨ましいとか。
青峰さんには「その権利譲れ」と言われ、謝りながら断ったりもした。


「はい、良君、今日の。」


「あっ、ありがとうございます!」


その遠野先輩は、昼休みにいつも手紙をくれる。
理由は、「思い出に残るから」らしい。

今日は、僕の誕生日についてのことが書いてあった。


「良君今日誕生日でしょ?時間なくて、お菓子とか作ってないけど…。今度、時間ある時作るね。」


遠野先輩はそう言うけど、僕にとっては、手紙の「おめでとう」だけで十分だった。

手紙を読みながら、人がいない裏庭で、二人並んで座る。

少しして、手紙を全部読み終えた。


「…ありがとうございます。」


「私が書きたくて書いたものだから、お礼なんていいよ。」


「でも…嬉しいんです。遠野先輩に祝ってもらえるの。」


無意識のうちに、遠野先輩の手に自分の手を重ねていた。

ちょっと驚いたようにした後、優しく微笑んで、遠野先輩はその手を繋いでくれる。


「私も、良君と恋人でいれて、嬉しい。」


心拍数が少しずつ増えていく。
遠野先輩は、繋いでない方の手で、僕の頬に触れた。


「…だから、生まれてきてくれてありがとう、良君。」


その言葉と熱いキスに、僕のドキドキは止まらなかった。


*Happy Birthday 9/9*

君と出会えたことに、
君とここにいれることに、
これからも感謝。
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